収支の計算と記録

三麻の収支は
段階を分けて計算する

素点・ウマ・オカ・チップを分けて計算すると、計算ミスを防ぎ、収支が合わない原因もすぐ特定できます。

押さえておきたい3つのポイント

  • 卓の条件を確認持ち点・返し点・ウマ・オカを共有
  • チップ・箱下を整理ツモ2倍・トビ精算の扱いを把握
  • 3人分を順番に検算点棒・ポイント・実収支を照合
3人分の早見表を見る
三麻の収支管理方法のイメージ図。正確な数値・条件は本文を参照。 図解を拡大して読む ↗

1. 三麻の収支計算早見表

以下は35,000点持ち・40,000点返し、ウマは1位+20/2位+10/3位−30、オカは1位に+15の対局例です。供託や端数の誤差はなく、局中の点棒移動は最終持ち点に反映済みとします。

順位最終持ち点素点ウマオカ最終ゲームポイント
1位50,000点+10+20+15+45
2位35,000点−5+100+5
3位20,000点−20−300−50

※この例では、2位にもプラスが付く順位ウマ(+20/+10/−30)を採用しています。卓によっては2位が0となる配分(+20/0/−20など)や、返し点を下回るとマイナスになる「沈みウマ」を採用する場合もあります。

この対局で1ポイント=100P、チップ1枚=100P、1位のチップ収支が+2枚(+200P)、各自の場代が400Pの場合、1位の実収支は次のようになります。

1位の実収支= +45ポイント×100P + 200P(チップ) − 400P(場代) = +4,300P

※「P(ポイント)」は説明用の換算単位です。

素点から実収支までの計算式を見る →

2. 素点・ウマ・オカと実収支の計算方法

点棒・ゲームポイント・実収支を分けて計算する

収支計算の混乱を防ぐコツは、「点棒(持ち点)」「ゲームポイント」「実収支」の3段階を分けて計算することです。返し点(カエシテン)は精算の基準点で、素点(ソテン)は最終持ち点と返し点の差を1,000点単位に直した値です。対局開始時の持ち点を表す「開始点」とは区別します。

素点=(最終持ち点−返し点)÷1,000

最終ゲームポイント=素点+ウマ+オカ+その他の順位精算

実収支=最終ゲームポイント×換算単位+チップ収支+その他の収支−場代

50,000点で終えても、素点がそのまま+50になるわけではありません。返し点が40,000点なら、(50,000−40,000)÷1,000=+10です。

なお、最終持ち点に1,000点未満の端数がある場合は、一般に五捨六入(500点以下は切り捨て、600点以上は1,000点へ切り上げ)で丸めます。3人の端数を丸めた結果生じる合計の過不足(±1ポイント)は、通常トップ(1位)の素点に加減して調整します。

ウマ:順位ウマと三麻特有の「沈みウマ」

ウマは、着順に応じてプレイヤー間で受け渡しを行う順位ポイントです。三麻のウマには、大きく分けて順位ウマ(固定ウマ)と沈みウマ(浮き沈みウマ)があります。

1. 順位ウマ(固定ウマ)

持ち点にかかわらず、1位〜3位の着順だけで配分が決まるルールです。プラスとマイナスの合計は必ず0になります。

  • +20 / 0 / −20:2位がイーブン(ウマの授受なし)となる最も標準的なゼロサム配分。
  • +30 / 0 / −30:トップとラスの差を大きく付け、順位の価値を高めた配分。
  • +20 / +10 / −30:早見表の例。2位にもプラスウマを配分し、3位のマイナスを大きくする設定。

2. 沈みウマ(浮き沈みウマ)

主に関西三麻などで広く採用される方式で、対局終了時に返し点(原点)を上回っている(=浮いている)人数によってウマの配分が変動します。

  • 1人浮き(トップのみ原点以上):トップがウマを総取り(例:1位+30/2位−10/3位−20)。
  • 2人浮き(1位と2位が原点以上):浮いた2人で分担(例:1位+20/2位+10/3位−30)。
  • 3人沈み(全員原点未満):卓で定めた順位配分に従います。

沈みウマが採用されている卓では、2位が原点をキープできるかどうかが最終収支を大きく左右するため、オーラスの押し引きや条件計算が四麻以上に重要になります。

オカ:三麻のオカ計算式(3人分の差額)

オカは、対局開始時の持ち点と返し点との差額から生じるトップ賞です。四人麻雀(25,000点持ち30,000点返し)では4人分の差額(5,000点×4人=20,000点=+20ポイント)ですが、三人麻雀は3人打ちのため「3人分」で計算します。

三麻のオカの総額(35,000点持ち40,000点返しの場合)

(40,000−35,000)×3人÷1,000=+15ポイント

早見表では、この15ポイントをすべて1位へ加えています。素点合計−15にオカ+15を加え、ウマ合計も0なので、最終ゲームポイントの合計は+45+5−50=0になります。

三麻でよく見られる持ち点・返し点の設定例は次の通りです。四麻の感覚で「オカは20ポイント」と思い込まず、卓のルールを確認しましょう。

持ち点・返し点の設定3人分の差額オカ(トップ賞)
35,000点持ち・40,000点返し(代表例)5,000点×3人=15,000点+15ポイント
30,000点持ち・35,000点返し5,000点×3人=15,000点+15ポイント
30,000点持ち・40,000点返し10,000点×3人=30,000点+30ポイント
35,000点持ち・35,000点返し差額なしオカなし(0ポイント)

3人のゲームポイントを実収支に換算する

早見表のゲームポイントを1ポイント=100Pで換算します。チップは1枚=100Pとし、1位がチップ対象の手をツモあがりして他2人から各1枚受け取ったと仮定すると、1位+2枚(+200P)、2位−1枚(−100P)、3位−1枚(−100P)となります。場代は合計1,200Pを均等に負担して1人400Pとします。

順位ポイント換算チップ場代実収支
1位+4,500P+200P−400P+4,300P
2位+500P−100P−400P0P
3位−5,000P−100P−400P−5,500P

1位の計算の流れは、50,000点 → 素点+10 → ウマ込み+30 → オカ込み+45ポイント → レート換算+4,500P + チップ+200P − 場代400P = 実収支+4,300Pです。

3人分のゲームポイント換算額の合計は0P、チップ収支の合計も0Pです。全員の実収支を足すと+4,300+0−5,500=−1,200Pとなり、場代総額1,200Pのマイナスと過不足なく一致します。四人打ちを含む精算項目は、麻雀の収支計算方法でも確認できます。

3. チップ精算とツモ損・箱下・特殊ルールの扱い

チップ(祝儀)の精算手順:ツモは2倍の受け渡し

三麻のチップ(祝儀)は、点棒やゲームポイントとは別に精算する重要項目です。赤ドラ・金牌・一発・裏ドラ・北抜き・役満などが主な対象となります。

1. ロンとツモで受け渡し枚数が変わる

チップの授受ルールで最も重要なのが、ロンとツモの違いです。

  • ロン和了:放銃したプレイヤー1人から、対象枚数を受け取ります(受取者+1倍、放銃者−1倍)。
  • ツモ和了:他のプレイヤー2人それぞれから、対象枚数を受け取ります(受取者+2倍、他2人各−1倍)。

※四人麻雀のツモは3人から受け取るため「3倍」ですが、三人麻雀は支払者が2人のため「2倍」になります。

2. 対局終了時のチップ精算手順

チップの精算は、以下の3ステップで進めるとミスが防げます。

  1. 枚数を数える:対局終了時に各自の手持ちチップ(または対局ごとの増減枚数)を集計します。
  2. 合計を検算する:3人の増減枚数を足し算し、合計が必ず「0枚(プラスマイナスゼロ)」になるか確認します。
  3. 実収支に換算する:チップ収支 = 増減枚数 × チップ単価(例:1枚100P) で金額・Pに換算し、ゲームポイントの実収支に加減します。

三麻は赤ドラや北抜きが多くチップの動きが激しいため、「順位は1位でゲームポイントはプラスなのに、チップを多く支払って実収支はマイナスになった」というケースも珍しくありません。記録時は「ゲーム+4,500P、チップ−1,000P、場代−400P」のように必ず内訳を残しましょう。

ツモ損と北抜きの扱い

ツモ損は最終持ち点に影響する

ツモ損ありは、ツモアガリ時に他の2人から決められた点数を受け取り、欠けている1人(北家分)を補わない方式です。不足分を調整してロンと同等の点数を受け取れる方式は、ツモ損なしと呼ばれます。

変わるのは局ごとの点棒移動です。対局終了後の素点・ウマ・オカの計算式は共通であり、ツモ損を理由に精算時に再度ポイントを加減する必要はありません。

北抜きは打点とチップに影響する

北を抜きドラとして扱うルールでは、北を抜くことでドラが増え、手牌の打点が大きく跳ね上がります。また、北抜き1枚につきチップ1枚(抜きドラ祝儀)が付くルールも一般的です。北を抜くルールなのか、3人共通の役牌として扱うルールなのかを事前に確認しましょう。

箱下精算・供託・特殊賞を処理する

箱下精算(トビ精算)とトビ賞

三麻は打点が高いため、持ち点が0点未満(トビ・ハコ割れ)になって対局終了となる展開が頻繁に起こります。このときの精算方法は卓によって大きく異なります。

  • 箱下精算あり(ハコ下計算):マイナスになった点数もそのまま素点として計算します。例えば−8,000点で終了した場合、40,000点返しなら素点は (−8,000−40,000)÷1,000 = −48ポイント となり、マイナス分をすべて支払います。
  • 箱下精算なし:どれだけマイナスになっても持ち点0点(素点−40ポイント)で打ち切られ、それ以上のマイナス素点は免除されます。
  • トビ賞:飛ばしたプレイヤーに対して、飛ばされた人(または他家全員)から固定のポイント(例:+10ポイント)やチップ(例:1〜2枚)を贈るルールです。

箱下の有無によって敗者の支払額と勝者のスコアが劇的に変わるため、対局前に最も確認すべきルールの1つです。

供託・端数・同点順位

  • 供託(リーチ棒):対局終了時に場に残った供託は、「トップ(1位)が総取りする」のが一般的です。持ち点に加算した場合は、開始点総数との検算時に二重計上しないよう注意します。
  • 端数処理:素点計算で出た1,000点未満の端数(五捨六入など)の合計ズレは、トップの素点に加減して調整します。
  • 同点時の順位:同点で並んだ場合は「起家(東家)に近い順」に着順を決めるルールや、「ウマを同着者で折半(等分)する」ルールがあります。

4. 収支が合わないときの検算表

点棒から実収支へ、順番に確認する

上から順に確認すると、計算がずれた段階をピンポイントで切り分けられます。参加者全員の合計が0になるゼロサム精算を前提とした検算手順です。

確認順・症状照合する内容主な原因と対処
1. 点棒総数が合わない最終持ち点の合計+未配分の供託=開始点×3人か(例:105,000点)点棒の数え間違い、供託の見落としや二重計上
2. 素点・オカが合わない素点合計+オカ総額=0になるか(供託を1位に加算後)開始点と返し点の混同、オカの計算違い、五捨六入など端数調整の漏れ
3. ウマ・ゲームポイントが合わないウマの合計と3人分の最終ゲームポイント合計が、それぞれ0か順位の入力ミス、2位の配分違い(沈みウマの判定誤りなど)
4. チップ・特殊賞でずれる参加者間の受取総数と支払総数が一致(合計0枚)しているかツモ時の2人払い漏れ、トビ賞・箱下計算の反映ミス
5. 実収支だけずれるレート換算と場代負担を確認し、実収支の合計が場代総額のマイナスと一致するか換算レートの掛け間違い、各自の場代負担額の入力ミス

※箱下精算なしでトビ賞のみを支払う場合や、外部賞がある場合は、その規定額を含めた合計と照合します。

5. 記録を残して成績を比較する手順

対局前に設定を保存し、終了後に結果を入力する

三麻は卓ごとのルール差が大きいため、あらかじめルール設定を保存しておき、各対局の結果に設定名を添えて記録します。たとえば「3人打ち、35,000点持ち40,000点返し、ツモ損あり、北抜き、箱下あり」。条件を変えたら過去の設定を上書きせず、新しい設定として作成します。

記録する時点項目残す内容
対局前人数・形式・環境三麻/四麻、東風/半荘、オンライン/リアル、雀荘名・サービス名・モード
対局前牌・北・ツモ使用牌、赤牌・金牌、チーの可否、北の扱い(抜きドラ/役牌)、ツモ損の有無
対局前点棒・順位点開始点、返し点、1〜3位のウマ(固定/沈みウマ)、オカの有無・額
対局前終了・精算条件トビ条件、箱下精算の有無、トビ賞、供託・積み棒の処理、同点順位、端数処理
対局前レート・チップ・場代1ポイントの換算単位、チップ対象・単価・ツモ時倍率(2倍)、場代総額と各自の負担方法
終了後日付・設定名・結果各プレイヤーの順位、最終持ち点、素点、ウマ・オカ、最終ゲームポイント
終了後実収支・対局メモチップ増減枚数、トビ賞・役満祝儀、場代、実収支、同点や供託の処理メモ

オンライン麻雀はサービス名とモードも記録する

雀魂・天鳳・MJなどの成績には、サービス名・モード・ルール・集計期間を添えます。たとえばMJ ARCADEの三人打ちでは北を全員の役牌として扱うため、雀魂などの北抜きドラを採用する成績と混ぜずに集計します。

集計は同じルール・期間でそろえる

成績は保存したルール設定ごとに集計します。レートだけが違う対局は「ゲームポイント」で比較し、実収支を比較する際はチップや場代の条件もそろえます。ルールを統一できない場合は、違いを対局メモに残しておきましょう。

総収支に加えて1ゲーム平均と順位を見る

100ゲームで+10,000Pなら1ゲーム平均+100P、1,000ゲームで+10,000Pなら1ゲーム平均+10Pです。総収支の金額だけでなく、次の指標を対局数とセットで分析しましょう。

指標計算方法確認する条件
平均順位順位の合計÷対局数同じ人数・主要ルール
トップ率1位回数÷対局数同じ集計期間
ラス率3位回数÷対局数同じ集計期間
平均ゲームポイントゲームポイント合計÷対局数同じウマ・オカ
平均収支実収支合計÷対局数同じ換算単位・チップ・場代

3つの順位(1位・2位・3位)が均等に出ると仮定した場合、三人麻雀の平均順位の計算上の基準値は(1+2+3)÷3=2.00です。平均順位は「数値が小さいほど成績が良い」ため、2.00を下回っていれば勝ち越し、2.00を上回っていれば負け越しとなります。

平均順位成績の目安(基準値:2.00)
2.05以上平均以下(改善の余地あり・負け越し)
1.96〜2.04平均的(基準値2.00前後・イーブン水準)
1.90〜1.95勝ち越し(安定して勝ち越している優秀な成績)
1.85〜1.89かなり強い(上級者レベル)
1.80〜1.84非常に優秀(強豪プレイヤー水準)
1.70台トップクラス(圧倒的な強さ)

三麻は打点が高くチップの比重も大きいため、平均順位が良くてもチップの失点や場代負担で実収支がマイナスになることがあります。順位・ゲームポイント・実収支の3つを並べ、どこで差が出たかを分析してください。北抜きやツモ支払いの詳細は三麻ルール一覧、詳しい成績の分析法は麻雀の平均順位の目安と見方で確認できます。

メモ雀で実践:計算結果を記録する →

三麻ルールの参考資料

資料は各サービス・大会のルール例です。雀魂は2022年の大会、天鳳は開始点・北などの規定を参照しています。資料確認日:2026年8月27日。