役、翻、ドラは働きが違う
役は、あがるために必要な条件です。リーチなら「鳴かずにテンパイして宣言する」、タンヤオなら「2から8の数牌だけで作る」という条件があります。
それぞれの役には1翻や2翻という価値が決められています。成立した役の翻数を合計し、符と組み合わせて点数を求めます。計算の順番は麻雀の点数計算を簡単にする方法で確認できます。
ドラは、役のある手の価値を上げる牌です。表ドラ、赤ドラ、槓ドラのほか、リーチしてあがった場合だけ数える裏ドラと槓裏ドラがあります。一般的には1枚につき1翻を加えますが、ドラ自体は役ではありません。白を3枚そろえた手なら「役牌」があるためあがれます。白の組がなく、ほかにも役がなければ、ドラを持っていてもあがれません。
鳴くと消える役がある
他家の捨て牌を使わず、チー、ポン、明槓をしていない状態を門前(メンゼン)と呼びます。他家の捨て牌を使って組を作り、公開することが副露(フーロ)、普段いう「鳴き」です。暗槓は手牌にある同じ牌4枚を使うため、通常は門前を崩しません。
リーチとピンフは門前でなければ成立しません。役牌と対々和は鳴いても成立します。三色同順、一気通貫、混一色は鳴いても残りますが、門前のときより1翻下がります。
役一覧は、Mリーグ公式戦ルールを基準にしています。WRC(World Riichi Championship)など、別の競技ルールとの違いは後半に載せています。役の採否や得点は雀荘、競技団体、家庭、ゲームごとに違うため、実際に参加する卓のルールを優先してください。
初心者が先に覚えたい5つの役
最初に覚えたいのは、手作りでよく使う次の5役です。それぞれの条件と、鳴いた後も成立するかを押さえておけば、役なしを避けやすくなります。
- リーチ(1翻、門前限定):門前でテンパイし、1000点棒を出して宣言します。鳴くとリーチできません。テンパイする前には宣言できず、宣言後は原則として手牌を入れ替えられません。
- 門前清自摸和(メンゼンツモ、1翻、門前限定):門前の手を自分で引いた牌で完成させます。鳴くと成立しません。リーチを宣言していなくても、門前のままツモれば役になります。
- 断么九(タンヤオ、1翻):2から8の数牌だけで作ります。鳴いても成立する「食いタン」が一般的ですが、認めない卓もあります。1、9、字牌が1枚でも残っていればタンヤオにはなりません。
- 役牌(ヤクハイ、1翻):白、發、中、場風、自風のいずれかを3枚そろえます。ポンしても役は残ります。東や南は、場風か自風に当てはまらなければ3枚そろえても役になりません。
- 平和(ピンフ、1翻、門前限定):4組がすべて順子で、雀頭は役牌ではなく、最後は両面待ちで完成します。鳴くと成立しません。順子だけでも、役牌の雀頭や両面以外の待ちがあるとピンフにはなりません。
鳴く前に、「役牌が残る」「食いタンになる」のように、鳴いた後の役を一つ挙げてみます。役が思い浮かばなければ、門前を保ってリーチを目指す手もあります。
あがる前に確認する5つの手順
- 完成形を確認する:基本の4面子1雀頭、七対子、国士無双のいずれかになっているかを見ます。
- 役を1つ以上確認する:リーチ、タンヤオ、役牌など、ドラ以外の役があるかを確かめます。
- 鳴きによる制限を確認する:門前限定の役が消えていないか、鳴くと翻数が下がる役かを見ます。
- 役の翻数を合計する:牌の種類、組の作り方、場風と自風、ロンとツモなどから成立役を拾います。
- 最後にドラを加える:役があると確認してから、表ドラ、赤ドラ、槓ドラを数えます。リーチしてあがった手だけは、裏ドラと槓裏ドラも数えます。
役名が出てこないときは、「順子と刻子の数」「1と9や字牌の有無」「使っている数牌の種類」を順に見ます。門前で順子が4組あり、2から8の数牌だけを使った両面待ちなら、タンヤオとピンフが候補です。
鳴く前に役を1つ答える
チーやポンをする前に、鳴いた後の役を確認します。「發で役牌」「一気通貫が1翻」「混一色が2翻」と答えられれば、役なしを避けやすくなります。
1翻役の一覧
| 役名 | 門前時 | 鳴いた時 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 立直(リーチ) | 1翻 | 成立しない | テンパイ時に1000点棒を供託して宣言する |
| 一発 | 1翻 | 成立しない | リーチ後の一巡以内に、鳴きで中断されずあがる |
| 門前清自摸和 | 1翻 | 成立しない | 自分で引いた牌で手を完成させる |
| 平和(ピンフ) | 1翻 | 成立しない | 順子4組、役牌でない雀頭、両面待ちを満たす |
| 一盃口(イーペーコー) | 1翻 | 成立しない | 同じ種類で同じ数字の順子を2組作る |
| 断么九(タンヤオ) | 1翻 | 1翻(ルール確認) | 2から8の数牌だけで作る |
| 役牌 | 1翻 | 1翻 | 白、發、中、場風、自風の刻子または槓子を作る |
| 海底摸月(ハイテイ) | 1翻 | 1翻 | 最後のツモ牌であがる |
| 河底撈魚(ホウテイ) | 1翻 | 1翻 | 最後の捨て牌でロンする |
| 嶺上開花(リンシャンカイホウ) | 1翻 | 1翻 | カンのあとに引く嶺上牌でツモする |
| 搶槓(チャンカン) | 1翻 | 1翻 | 他家が加槓しようとした牌でロンする |
一発はリーチと組み合わせて成立し、単独では役になりません。リーチ後の一巡以内でも、誰かのチー、ポン、カンが成立すると一発は消え、暗槓も中断に含まれます。
役牌は条件を重ねられます。たとえば東場の東家が東を3枚そろえると、場風と自風の両方に当てはまります。連風牌を何翻として扱うかは、卓のルール表で確認してください。
2翻役の一覧
| 役名 | 門前時 | 鳴いた時 | 条件 |
|---|---|---|---|
| ダブル立直 | 2翻 | 成立しない | 自分の最初の打牌でリーチする。それ以前にチー、ポン、明槓、暗槓があると成立しない |
| 連風牌(場風と自風) | 2翻 | 2翻 | 場風と自風が同じ風牌を刻子または槓子にする |
| 七対子(チートイツ) | 2翻 | 成立しない | 異なる7組の対子で完成形を作る |
| 対々和(トイトイ) | 2翻 | 2翻 | 4組すべてを刻子または槓子にする |
| 三暗刻 | 2翻 | 2翻 | 手の中で作った刻子または暗槓を3組そろえる |
| 三色同刻 | 2翻 | 2翻 | 萬子、筒子、索子で同じ数字の刻子を作る |
| 三槓子 | 2翻 | 2翻 | 槓子を3組作る |
| 小三元 | 2翻 | 2翻 | 三元牌2種類を刻子、残る1種類を雀頭にする |
| 混老頭(ホンロウトウ) | 2翻 | 2翻 | 1と9の数牌と字牌だけで作り、数牌と字牌をどちらも1枚以上使う |
| 三色同順 | 2翻 | 1翻 | 萬子、筒子、索子で同じ数字の順子を作る |
| 一気通貫(イッツー) | 2翻 | 1翻 | 同じ種類で123、456、789の順子をそろえる |
| 混全帯么九(チャンタ) | 2翻 | 1翻 | すべての面子と雀頭に1、9、字牌のいずれかを含め、順子を1組以上使い、字牌も1枚以上含める |
三暗刻は「手全体が門前か」ではなく、暗刻が3組あるかを見ます。そのため、残りの1面子をチーしていても成立します。反対に、シャボ待ちの牌をロンして3組目の刻子を完成させた場合、その刻子は明刻扱いになり、三暗刻にならないことがあります。ツモで完成させれば暗刻です。
チャンタは、各ブロックに1、9、字牌のいずれかが必要で、順子を1組以上使い、字牌も1枚以上含めます。順子がなく、手全体が1、9、字牌だけなら混老頭の条件を確認します。字牌を使わず、各ブロックに1か9を含む手はジュンチャンです。
3翻と6翻役の一覧
| 役名 | 門前時 | 鳴いた時 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 二盃口(リャンペーコー) | 3翻 | 成立しない | 一盃口の形を2組作る。七対子とは同時に数えない |
| 混一色(ホンイツ) | 3翻 | 2翻 | 1種類の数牌を使い、字牌も1枚以上含めて作る |
| 純全帯么九(ジュンチャン) | 3翻 | 2翻 | 字牌を使わず、すべての面子と雀頭に1か9を含め、順子も使う |
| 清一色(チンイツ) | 6翻 | 5翻 | 字牌を使わず、1種類の数牌だけで作る |
ホンイツは1種類の数牌と字牌をどちらも使い、チンイツは字牌を使わず1種類の数牌だけで作ります。どちらも鳴くと1翻下がり、鳴くほど相手にも狙いが伝わりやすくなります。ジュンチャンはチャンタと違って字牌を使えず、すべての組に1か9が必要です。
Mリーグ公式役一覧には、4翻と5翻の固有役はありません。ただし、複数の役とドラを合計して4翻や5翻になる手はあります。WRCでは人和を5翻役として採用しており、詳しい条件は後半の「卓によって変わる5つの扱い」で確認できます。
牌姿で見る代表的な役
完成形を牌のまとまりごとに区切って載せています。まず役の条件になる牌を探してください。実際の翻数は、門前か鳴いているか、ロンかツモか、場風と自風、ドラの枚数によって変わります。
タンヤオ:2〜8の数牌だけ
役牌:白、發、中、場風、自風を3枚そろえる
平和:すべて順子、役牌でない雀頭、両面待ち
対々和:4組すべてを刻子にする
一気通貫:同じ種類で123、456、789
混一色:1種類の数牌と字牌を使う
清一色:1種類の数牌だけ
国士無双:13種類の1、9、字牌と、どれか1組
大三元:白、發、中をすべて刻子にする
役満(ヤクマン)の一覧
役満は、通常の翻数計算とは別に扱う最高区分の役です。最初から全部暗記する必要はありません。珍しい形が出たときに、この表で確かめれば十分です。
| 役名 | 門前時 | 鳴いた時 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 天和(テンホウ) | 役満 | 成立しない | 親が配牌された最初の14枚で、暗槓をせずにあがる |
| 地和(チーホウ) | 役満 | 成立しない | 子が最初のツモであがる。それ以前にチー、ポン、明槓、暗槓があると成立しない |
| 国士無双 | 役満 | 成立しない | 13種類の么九牌を1枚ずつ集め、いずれか1種類を対子にする |
| 四暗刻 | 役満 | 成立しない | 手の中で作った刻子または暗槓を4組そろえる |
| 大三元 | 役満 | 役満 | 白、發、中をすべて刻子または槓子にする |
| 緑一色 | 役満 | 役満 | 2索、3索、4索、6索、8索、發だけで作る。發はなくても成立する |
| 字一色 | 役満 | 役満 | 字牌だけで作る |
| 小四喜 | 役満 | 役満 | 風牌3種類を刻子、残る1種類を雀頭にする |
| 大四喜 | 役満 | 役満 | 東、南、西、北をすべて刻子または槓子にする |
| 清老頭 | 役満 | 役満 | 数牌の1と9だけで作る |
| 四槓子 | 役満 | 役満 | 槓子を4組作る |
| 九蓮宝燈 | 役満 | 成立しない | 1種類の数牌で1112345678999を基本形とし、同じ種類の牌を1枚加える |
役満の複合、特定の待ちをダブル役満とする扱い、責任払いはルールによって異なります。大車輪や四連刻などのローカル役も、採用する卓と採用しない卓があります。人和はWRCでは5翻役ですが、Mリーグ公式役一覧には掲載されていません。該当しそうな手では、対局先のルール表を確認してください。
卓によって変わる5つの扱い
同じリーチ麻雀でも、役と点数の細かな決まりは卓や競技団体によって違います。特に次の5項目は、対局前に確認しておきたいところです。
- 食いタン:鳴いたタンヤオを1翻として認めるかを確認します。Mリーグ公式戦では認められていますが、食いタンなしの卓もあります。
- 人和:WRCでは、子が最初のツモより前にロンし、それ以前にチー、ポン、明槓、暗槓がない手を5翻役とします。他の役やドラとは複合しません。Mリーグ公式役一覧には人和がありません。
- 数え役満:役とドラの合計が13翻以上の手を役満相当とするかを確認します。Mリーグ公式戦では役満以外の複合は三倍満が上限ですが、WRCでは13翻以上を1つの役満と同額の四倍満として扱います。
- ダブル役満:国士無双十三面待ち、四暗刻単騎、純正九蓮宝燈、大四喜などを2倍役満とするかを確認します。1つの役満として扱うルールもあります。
- 責任払い:大三元や大四喜などを確定させる牌を鳴かせた人が、点数の全部または一部を負担するかを確認します。適用する役、ツモとロンでの負担方法はルール表に従います。
赤ドラの枚数、切り上げ満貫、役満の複合、流し満貫、連風牌の符や翻にも差があります。MリーグとWRCの規定も同一ではありません。対局先のルールに従ってください。
役は似た条件を比べて覚える
役は表の上から暗記するより、似た条件を対にしたほうが覚えやすくなります。「ホンイツは字牌を使い、チンイツは使わない」「チャンタは字牌を使えて、ジュンチャンは使えない」「対々和は4組すべて刻子、三暗刻は暗刻が3組」という違いです。
対局後は和了した局を一つ選び、成立した役、見落とした複合役、鳴いたことで失った翻を記録します。和了できなかった局も、鳴いた後に役が残っていたかを見ると復習になります。役一覧は、手牌から和了までの道筋を考えるときにも使えます。
初心者のうちは、まずリーチ、門前ツモ、タンヤオ、役牌、ピンフを正しく判定できるようにします。次に、三色同順や一気通貫を鳴いたときの翻数を覚えます。手作りと組み合わせたい場合は、麻雀の牌効率入門でシャンテン数、受け入れ、5ブロックの見方を確認してください。
対局中に迷ったときの確認順
あがれるか迷ったら、5つの項目を上からたどります。役名を調べるときは、各表の「鳴いた時」の列を先に見ると候補を絞れます。
参考資料
- Mリーグ公式戦ルール(一翻縛り、ドラ、得点計算、役一覧、役満複合などを確認)
- World Riichi Championship Rules(WRCの現行ルール文書への案内)
- WRC Player Materials(公式の役一覧と点数表への案内)
公開資料を参照していますが、特定団体の文章や役一覧のレイアウトは転載していません。ルールは改定されることがあるため、対局時は各主催者の最新版を確認してください。