聴牌までの距離と有効牌

シャンテン数は、手牌が聴牌まで何段階離れているかを表す数値です。聴牌は0シャンテン、あと一段階で聴牌する手を一向聴(イーシャンテン)と呼びます。あがり形はマイナス1です。

次に牌を引いたとき、その距離を一段階縮める牌が有効牌です。有効牌の残り枚数を合計した数字を受け入れ枚数と呼びます。三萬が最大4枚、六萬が最大3枚なら、受け入れは最大7枚です。

手番で一枚を選んで捨てることを打牌(ダハイ)と呼びます。候補を比べるときは、それぞれを切った後の13枚でシャンテン数を数えます。同じ牌二枚の形は対子(トイツ)です。受け入れ枚数を比べるのは、シャンテン数が同じ場合です。枚数だけで打牌が決まるわけではありません。

「くっつく牌」と「シャンテン数を下げる牌」は同じとは限らない

手牌の一部が二枚組になっても、手全体のシャンテン数が下がるとは限りません。受け入れは打牌後の13枚で判定します。以下では、完成部分を固定した聴牌形と、単独部分の変化を比べる牌姿を使います。

通常のあがり形とは別に、七対子と国士無双にはそれぞれの距離の数え方があります。同じ牌が二枚ずつ多い手や、一九字牌が多い手では、通常形だけに決めつけず、特殊なあがり形も候補に残します。

見える情報から残り枚数を数える

同じ牌は赤五を含めて4枚です。ある牌の残りを数えるときは、4枚から自分の手牌にある枚数と、全員の捨て牌、公開された鳴き牌、見えている表示牌などの枚数を引きます。自分の手に二萬が1枚あり、捨て牌に二萬が2枚見えているなら、見えていない二萬は最大1枚です。

有効牌の最大残り枚数 = 4枚 − 手牌内の同種牌 − 公開情報で見える同種牌

この計算で分かるのは、見えている情報から求めた最大値です。見えない牌は他家の手牌や王牌にあるかもしれず、すべてが山に残っているとは限りません。同じ公開情報を使って候補を比べるための見積もりです。

まず有効牌の種類を重複なく列挙し、次に種類ごとの残り枚数を合計します。複合形では、同じ牌が複数のブロックに効くことがあります。たとえば三萬が二つのターツを同時に改善しても、三萬4枚を二回足して8枚とは数えません。

あがり形から5ブロックを作る

通常のあがり形には、三枚か四枚で完成した組が四つと、同じ牌二枚の組が一つ必要です。順子、刻子、槓子のような完成した組を面子(メンツ)、頭になる二枚組を雀頭(ジャントウ)と呼びます。

完成前の二枚組も、将来の面子候補として一つに数えます。手牌を、面子四つと雀頭一つの計五つに分けて考えるのが5ブロックです。

たとえば「123筒、456筒、789索、東東、45萬」なら、完成した組が三つ、頭の候補が一つ、最後の組の候補が一つです。45萬に三萬か六萬を加えれば四つ目の組が完成し、東東を頭にできます。

候補が六つあれば、いずれ一つを外します。この段階では枚数だけで決めず、完成しやすさ、ドラや役とのつながり、安全牌として残す価値を比べます。候補が四つしかなければ、まだ組になっていない牌から新しい二枚組を作る余地を残します。

同じ牌二枚は、頭にも三枚組の候補にもなります。すべてを別々の完成ブロックとして固定すると数えすぎるため、引いた牌ごとに役割を見直します。七対子と国士無双は形が異なるので、5ブロックに無理に当てはめません。

一向聴の形を牌姿から見分ける

同じ一向聴でも、頭の有無や完成前の二枚組の数によって有効牌は変わります。次の図では、色を付けた未完成部分に何を引けばよいかを確かめます。

頭と二つの未完成部分がある牌姿

三萬 四萬 五萬 六萬 七萬 八萬 四筒 五筒 七筒 七筒 五索 五索 六索
色を付けた45筒と556索を見ます。公開牌がない前提では、三筒、六筒、四索、七索が各4枚、七筒と五索が各2枚で、合計6種20枚です。

45筒は三筒か六筒で、56索は四索か七索で完成します。七筒を引けば七筒を三枚組にして五索二枚を頭にでき、五索を引けばその役割を入れ替えられます。頭と二つの完成候補があり、どちらが完成しても聴牌する形を完全一向聴と呼びます。

頭がない牌姿

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七筒 八筒 九筒 二萬 三萬 六索 七索
完成した三組の後に、23萬と67索があります。公開牌がない前提では、一萬から四萬と五索から八索が有効で、最大28枚です。

一萬か四萬を引けば23萬が完成し、67索の一枚を切って一枚待ちにできます。二萬か三萬を引けば重なった二枚を頭にし、67索を待ちとして残せます。67索側でも同じ変化が起きるため、二枚組を完成させる牌だけでなく、二枚組の片方を重ねる牌も有効です。頭を持たないこの形をヘッドレスと呼びます。

完成した三組と頭のほかに二枚が離れた牌姿

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七索 八索 九索 東 東 孤立した四萬 孤立した七萬
完成した三組と東の頭を確認し、色付きの四萬と七萬に何がつながるかを見ます。公開牌がない前提では、二萬から九萬までの数牌が最大30枚です。東の残り2枚も加わり、有効牌は合計最大32枚です。

完成した三組と頭があり、残る二枚がまだ組になっていない形をくっつき一向聴と呼びます。四萬には二萬から六萬、七萬には五萬から九萬がつながります。五萬と六萬は両方に効くため一度だけ数え、四萬と七萬は手牌に各1枚あるので残り各3枚です。ほかの六種類は各4枚となり、数牌は最大30枚です。東はすでに2枚あるので残り2枚です。東を引いて三枚組にし、四萬か七萬を切れば、もう一方を頭にする一枚待ちになります。数牌と東を合わせた有効牌は合計最大32枚です。

中央寄りの数牌は変化が多いものの、公開されている枚数、ドラ、役とのつながりによって残す牌は変わります。

上の556索は、55索としても56索としても使えます。一つの並びを二通り以上に分けられる形を複合ターツと呼びます。四索か七索で面子を作る受け入れと、五索を重ねる受け入れがあるため、同じ牌を二重に足さず列挙します。

34567萬も「345萬と67萬」「34萬と567萬」の二通りに分けられます。この5連形では、345萬を完成部分に固定すると二萬と五萬の受け入れを、567萬に固定すると五萬と八萬の受け入れを見落とします。図の並びを先に読み、候補ごとに13枚の形に戻してから形の名前を使うと、数え間違いを防げます。

未完成部分の形と最大枚数

数字が続く45のような二枚組は、外側の二種類で完成します。この形が両面(リャンメン)です。数字を一つ飛ばした46は間の一種類で完成し、嵌張(カンチャン)と呼びます。12や89のように端に寄った二枚組は内側の一種類で完成し、辺張(ペンチャン)と呼びます。どの組にもつながっていない一枚は孤立牌(コリツハイ)です。

次の四例は、完成した三組と頭を持つ13枚の聴牌形です。最後の未完成部分だけを変え、特記のない牌は手牌以外に見えていないものとします。色付きの部分を完成させる有効牌と、その最大残り枚数を比べます。

45萬は三萬と六萬の最大8枚

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七索 八索 九索 東 東 四萬 五萬
色付きの45萬に三萬か六萬を加えると完成します。どちらも手牌に0枚、公開0枚なので、最大8枚です。

外側の二種類を受けられるため、見えている枚数が同じなら一種類だけを待つ形より受け入れが多くなります。上の完全一向聴にある556索は、55索の対子と56索の両面を兼ねる両面対子です。

46萬は五萬の最大3枚

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七索 八索 九索 東 東 四萬 六萬
有効牌は間を埋める五萬だけ。五萬は手牌に0枚、河に1枚見えている前提なので、4−0−1=3枚です。

色付きの46萬は五萬だけで完成します。この例では五萬が1枚見えているため、残りは最大3枚です。赤五萬も五萬の1枚として数え、別の種類として加えません。

12萬は三萬の最大4枚

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七索 八索 九索 東 東 一萬 二萬
有効牌は三萬だけ。三萬は手牌にも公開牌にもない前提なので、4−0−0=4枚です。

色付きの12萬は三萬でしか完成しません。23萬なら一萬と四萬を受けられますが、12萬には0萬がないためです。89の形も七だけを待ちます。一種類待ちでも、周辺牌を引いた後の変化や役とのつながりは嵌張と異なります。

二つの対子は東と五萬の最大4枚

一筒 二筒 三筒 四筒 五筒 六筒 七索 八索 九索 東 東 五萬 五萬
有効牌は東と五萬。各2枚を手牌に持ち、公開牌は0枚なので、東は4−2=2枚、五萬も4−2=2枚、合計4枚です。

東か五萬のどちらかを引いて三枚組にし、もう一方を頭にします。牌の種類は二つでも、すでに各2枚を使っているため合計は最大4枚です。東が自風や場風なら役になる可能性があり、枚数以外の価値も変わります。

孤立牌は中央に近いほど変化の種類が多い

まだ5ブロックがそろわない序盤では、孤立牌から二枚組ができる可能性を比べます。単独の五萬には、三萬、四萬、五萬、六萬、七萬がつながります。手牌に五萬1枚があり、公開牌がなければ、三萬、四萬、六萬、七萬が各4枚、五萬が残り3枚で、変化牌は合計19枚です。

孤立した五萬 三萬 四萬 五萬 六萬 七萬
単独五萬の変化牌は三萬から七萬までです。公開0枚なら4+4+3+4+4=19枚です。これは「二枚組を作る変化」の数であり、手全体の受け入れとは区別します。

単独の一萬では、一萬で対子、二萬で12の辺張、三萬で13の嵌張ができます。手牌に一萬1枚、公開牌なしなら、一萬3枚、二萬4枚、三萬4枚で合計11枚です。中央牌の方が隣接する数字が多いため、一般に変化の幅は広くなります。

孤立した一萬 一萬 二萬 三萬
単独一萬の変化牌は一萬、二萬、三萬です。公開0枚なら3+4+4=11枚です。五萬の19枚より少なくても、チャンタや純チャン、ドラ、守備価値があれば残す理由になります。

ここで数えた19枚と11枚は、孤立牌が二枚組になる変化牌です。手牌全体のシャンテン数が下がらない牌も含むため、受け入れとは分けます。すでに5ブロックがそろっていれば、新しいターツができても手は進まず、6ブロックになるだけのこともあります。

実戦で候補を比べる順序

まず通常形、七対子、国士無双のどれを目指せそうかを見ます。通常形なら連続した並びをいくつかの方法で分け、5ブロックの候補を作ります。その後、次の四段階で比べます。

  1. 聴牌までの距離:候補を切った後のシャンテン数を比べます。
  2. 受け入れ枚数:距離が同じ候補では、有効牌を重複なく挙げ、各4枚から手牌と公開情報で見える枚数を引きます。
  3. 進んだ後の質:聴牌したときの待ち、役、打点を比べます。
  4. 現在の局面:守備に使える牌、相手の仕掛け、残りの手番、親子、点差を確かめます。

数え間違いを防ぐ書き方

「三萬4、六萬3、東2、合計9」のように、種類と残り枚数を一行で残します。「三萬、六萬、東の3種」だけでは、手牌や場に何枚見えているかが分かりません。複合形では、候補ごとにシャンテン数、牌種、残り枚数を横に並べます。

受け入れ枚数だけを最大化しない

牌効率は和了までの距離を比べる考え方ですが、受け入れの広さだけで打牌は決まりません。同じシャンテン数なら受け入れが広い候補は有力です。それでも、打点や守備、点数状況によって選ぶ牌は変わります。

打点と役

ドラを切れば受け入れが2枚増え、残せば満貫級が見える手なら、枚数だけでは決められません。タンヤオ、平和、三色同順、一気通貫、混一色など、残す牌によって狙いやすい役も変わります。役の条件はリーチ麻雀の役一覧で確認できます。

安全性と局面

終盤や相手のリーチ後は、和了までの近さだけでなく放銃を避ける価値が大きくなります。字牌や端牌を早く処理すれば序盤の効率は上がりやすい一方、後で安全牌候補がなくなることもあります。どこまで押すかは、自分のシャンテン数、待ち、打点、巡目、親子、点差を一緒に見ます。守備の考え方は麻雀の守備と押し引きで説明しています。

鳴きやすさと手役の確定

役牌の対子は残り2枚でも、他家の捨て牌をポンして面子にでき、役を確定できます。門前の両面ターツは受け入れが広くても、チーすると役がなくなる場合があります。「山から引ける牌の数」「他家から鳴ける牌」「鳴いた後に残る役」を分けて考えます。

受け入れ後の形

有効牌を引いた後に、どんな待ちの聴牌になるかも比べます。受け入れが同じ8枚でも、一方はすべて両面聴牌、もう一方は単騎や嵌張が多いなら、数字以上の差があります。今の枚数だけでなく、一手先の形まで見てください。

距離と枚数で候補を絞ったら、進んだ後の形を比べます。最後に打点、守備、見えている牌、残りの手番、局と点数の状況を加えて、切る牌を決めます。

牌効率を身につける練習方法

最初は、聴牌形の待ちを数える練習から始めます。両面なら二種類、嵌張と辺張なら一種類、対子二組なら二種類でも各2枚以下です。手牌と河に見える分を毎回引き、慣れたら一向聴の打牌候補へ範囲を広げます。

次に、対局中に迷った打牌を一つだけ保存し、対局後に14枚を並べ直します。各候補について、打牌後のシャンテン数、有効牌の種類、残り枚数、受け入れ後の待ち、失う役やドラを書きます。正解を一つに決めるのではなく、どの条件で候補の順序が変わったかまで記録します。

受け入れの数字を記録したら、実際にあがったかどうかだけで打牌の良し悪しを決めません。切る時点で見えていた牌、進んだ後の形、打点、安全性を記録し、どの条件で候補の順序が変わったかを振り返ります。

よくある数え間違い

  • 自分が持つ牌を引かない:対子から刻子になる牌は、すでに2枚使っているので最大2枚です。
  • 河や副露を見ない:有効牌が二種類でも、合計4枚見えていれば最大枚数は8枚ではありません。
  • 赤五を別の5枚目として足す:赤五は四枚の五のうちの一枚です。
  • 複合形で同じ牌を二重に足す:二つのブロックに効く三萬も、牌そのものは最大4枚です。
  • 変化牌をすべて有効牌と呼ぶ:形が柔軟になっても手全体のシャンテン数が下がらない牌は、狭い意味の受け入れから分けます。
  • 5ブロックを固定しすぎる:連続形は切り分けが変わり、対子は雀頭にも刻子候補にもなります。
  • 枚数だけで打牌を決める:役、打点、安全性、局面を考えなければ、目的に合わない選択になり得ます。

打牌候補は、距離、枚数、質、局面の順に比べる

最初に比べるのは、打牌後のシャンテン数です。同じシャンテン数なら、有効牌の種類を列挙し、各4枚から手牌と見えている枚数を引いて受け入れを比べます。通常形は4面子1雀頭の5ブロックに分けると、余るブロックや足りないブロックが見つかります。

45萬は三萬と六萬の最大8枚、46萬は五萬の最大4枚、12萬は三萬の最大4枚です。対子二組の待ちは、各2枚をすでに使うため合計最大4枚です。見えている牌があればその分を引き、進んだ後の形、打点、役、守備、残りの手番、点数状況を踏まえて打牌を決めます。

参考資料

各資料をもとに、初心者が牌姿から有効牌を数えられるよう手順を組み立てました。押し引きの基準や、見えていない牌が山に残る確率は扱っていません。